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Episode 02


「子どもがおしえてくれること」
– 常識にとらわれない絵本の読み方って? –

あそびのアトリエには、いろんな絵本も置いてあります。
絵本を手に椅子に座ったさぁちゃん(仮名6歳2ヵ月)
開いたページを前に、期待が膨らむ様子が伝わってきます。

そしてタイトルを読み上げました。

ジェリーさん「さぁちゃん、文字読めるの?」

さぁちゃん「うん、読める。」

さぁちゃんは、ページをめくりながら、1文字1文字をゆっくり識別しながら読んでいきます。
促音や濁音、拗音そしてカタカナまでも上手く発音できています。
途中、読み間違えがあっても指摘することはありません。
ジブンで気付いて修正するさぁちゃん。へぇ、そんな力があるんだ。たいしたものだね!

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目の前の小さな人、とはいえ数ヶ月後には小学生になる子の、
真剣なまなざし、ひたむきに読む勤勉な美しい姿に心を打たれます。
と、突然途中から何ページも飛ばして読むことを決めた彼女。
数ページ先を読んでみたさぁちゃん、話がちんぷんかんぷん…全然つながりません。(そりゃそうだ)

さぁちゃん : 「アレ?えーっ!なんでー?」

ストーリーは、さっきまでのページとは一変し、楽しそうだった絵本の中の登場人物の表情が一気に暗転しているではありませんか!疑問が生じるのも無理はありません。

ジェリーさん :「なんか、怒ってる子もいるし、この子なんて悲しそうな顔にみえるね。」

さぁちゃん :「……わかった!この前になんかあったんじゃない?」
と言いながら、前のページへ戻ります。

ジェリーさん :「そうだね、きっと何かこんな顔になるようなことが起こったんだろうね。何があったんだろう…」

さぁちゃん :「あっ、わかった!たぶんー、○○なんじゃない?あ、それかー、△△とか…」

さすが6歳児さんにもなると、察しが鋭いですね。
そして「たぶんー」「それって、こうなんじゃない?」「けっきょく~」などの言葉がポンポンと飛び出してきます。まるで大人と話すような口調でやり取りをする彼女は、もうしっかり女子という感じ。
結局、飛ばした分、戻って見返して、ストーリーの辻褄が合ったところで二人ともモヤモヤ解消!あースッキリしたね。
子どもにとって、「絵本の世界を知る」ということは、決してページ順に読むことに限らないのです。
挿絵からファンタジーを膨らませて、ときに自分自身やそばに居る人と対話しながら、物語を逆さから見て推理することもあるんだなぁと教えてくれたひとときでした。

あそびのアトリエでは、小さい人たちを、早く早く!と急かすことなく、「待つ時間」を大切にしたいと考えています。